特集・新しいふれあい社会を考える
最後の自己選択を支える仕組みづくり
人生の幕引きは自分の意思で
死後の事務処理を受託する「NPO」の誕生と課題
(取材・文 阿部まさ子)
死後の後始末を託せる身内がいない。家族はいても自分の死後の処理は生きている間に自分で決めておきたい。少子高齢化の影響からか、こうした声がここ数年で急速に高まっている。日本で生前契約というシステムか始まったのは実はそれほど古くはない。ある民間会社が一九九三年に始めたものだ。そして昨年、さらなる基盤整備の声を受けて、日本生前契約等決済機構という組織が非営利で誕生した。二一世紀はまさに自己選択の時代。「死後の後始末」も自らで、と望む声は今後どんな広がりを見せるのだろうか? 高まるニーズに応えるための課題を追った。