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よいかかりつけ医に出会う秘訣はありますか?

 

どの医者に行ったらいいのか判断がむずかしい面はありますが、本来、かかりつけ医を持つというのは患者さんの責任で行う作業なんです。健康は自分の責任で守るもの。それならば、住み慣れた地域に信頼できる医師とのかかわりをつくっていくことも自分の責任です。そして、ウマの合う医師を見つけること。どんなに高名な医者でも気軽に話せないようでは何にもならない。行きつけの寿司屋とか喫茶店を持つのと同じ感覚で、何か所か近くの診療所に行ってみて、ウマが合いそうな医師となじみになることです。

 

複数の主治医を持っていい

 

大学病院にも主治医がいて、住まいの近くにもかかりつけ医を持つ。主治医は一人という感覚からすると、この点はどうなのでしょう?

 

確かに主治医を二人も三人も持つと失礼なんじゃないかと思う患者さんもいるようですが、もともと大学病院の医師と地域の医師の役割は異なり、おのずと行動パターンが違うんです。誰しも急病や重い病気のときは最善の治療を受けたい。その場合は高度な医療ができる大学病院や総合病院に行く。そこなら入院加療することもできます。そして、病状が安定したら地域の医師に診てもらう。逆に、地域の医師が診て専門的な検査や入院が必要となれば、適切な専門医を紹介する。

そのためには、大病院の専門医と地域のかかりつけ医との意思の疎通や連携がきちんとできていなければなりませんが、患者さんにとっては複数の主治医を持つことはむしろいいことなんです。

 

医師はケアプラン作成に参加を

 

介護保険での主治医の役割は意見書の記載にとどまらず、中には認定審査会へ出られる先生もおられます。介護保険が始まって負担が増えたことと思います。

 

医療なき介護はあり得ませんから、医療関係者の介護保険への積極的な理解と協力は不可欠です。その点からも、主治医意見書に“介護の手間”を適切に表現することはもちろん、サービス担当者会議に参加して、どういうサービスが必要なのか意見を述べること、あるいはそのお年寄りにとって最適なケアプランの作成に積極的に協力することを医師は期待されていると思います。現実には診療に追われてサービス担当者会議に出る医者はなかなかいないのですが。しかし、介護保険は保健・医療・福祉の連携によって円滑に運営されていく制度。医師も敷居を低くして、サービス担当者会議に出るべきでしょうね。

 

 

 

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