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協力的な地元医師会のおかげで…

 

鴨川市は一九九四年四月、「『保健・医療・福祉』が一体となったこれからの時代に対応した総合保健福祉会館」として「ふれあいセンター」をオープン、翌年六月に同センターに「基幹型在宅介護支援センター」を開設した。「基幹型」は、地域ケアを総合的に担当しながら地域の在宅介護支援センターを統括する大型の在宅介護支援センター。「厚生労働省が打ち出す前に全国に先駆けて設置した」(久根崎孝健康管理課長)という自慢の施設である。

地元医師会の存在も役立っている。鴨川市を担当する長狭(ながさ)局部医師会は、介護保険の実施以前から予防注射のスムーズな実施など、地域の医療行政に歩調を揃えてきた。たとえば同市の要介護認定審査委員会のメンバーは肩書で選ばず介護現場に詳しい人材からなっているが、こうした実戦的な委員会構成は医師会のアドバイスによる。介護支援専門員の松坂のぶ子さんによると、「橋本与志郎前会長の時代から医師会が大病院から開業医まで上手にまとめて行政と良い関係を作ってきてくれた」そうだ。

それにも増して鴨川市が恵まれているのは豊富な医療資源。ヘリポートを持つ僻地救急医療から在宅ホスピスまで、臓器移植を除くほとんど全ての高度医療をこなす亀田総合病院のほか、三つの民間病院と一つの市立病院がある。それらは総合地域医療拠点、老人病院、痴呆性老人センター、国民健康保険病院としての役割を担っている。

人口三万人足らずの町でこれだけの病院がそろっている地方都市は全国でも珍しい。

 

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鴨川市の福祉行政サービスの中心である「ふれあいセンター」

 

 

 

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