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亀田総合病院の在宅老人の介護をするケアマネジャー。看護婦さんたちは全員パソコンを持ち、在宅老人のデータを見ながら会議をする。

 

高齢者は施設在宅、介護、医療の隔てなく退院したその日から介護保険による在宅サービスを受けることができる。

「我々がすでに実践してきたことを介護保険が後追いしてきたようなもの。これからはお年寄り一人ひとりの生涯介護に携わる“かかりつけケアマネジャー”を作ろう」と亀田院長はハッパをかける。

「めぐみの里」入居者の医療情報は亀田総合病院の電子カルテに収録される。オンラインで取り寄せて診ることができ、必要ならば同病院が医師をよこす。電子カルテは診療記録だけでなくX線やCTなどの画像や薬剤処方、検査オーダーから体温、脈拍、看護記録など一人の患者に関する医療情報を一元的に管理し、医療と福祉の一体化を着々と進めている。

 

七〇−八〇%が介護サービスに満足

 

さて鴨川市の介護保険の実施状況はどうだろう? 二〇〇〇年十一月二七日現在の介護保険サービスの平均利用額は、たとえば「要支援」では五万六八七五円、「要介護5」では二一万八五四四円。全体の平均利用率は五二・三%と、全国平均を約一〇ポイント上回っており、「介護保険実施後サービス利用は増えつつある」(健康管理課)という(P42表参照)。

満足度アンケート調査によると「とても満足している」または「まあまあ満足している」と答えた利用者の割合は訪問介護については八一%。他のサービスも訪問入浴が八八%などすべて七〇%以上となっている。七八%の利用者が「現在の介護サービス」について「十分」ないし「まあまあ満足している」と答え、利用料の一割負担についても七〇%の人が受け入れている。介護保険料の六段階方式などで有名な流山市のような自治体に比べて鴨川市は千葉県内でとりわけ画期的なサービスを行ってはいないものの、調査結果を見る限り利用者の評価はまずまずのようだ。

 

 

 

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