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喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記

介護保険だけでは困っている人は救えない。だからこそ、心のふれあいを大切にしたたすけあい活動を広げていきたい

地域たすけあいサービス青空(北海道)

 

「活動を始めてからまだ一年半ちょっとですが、それでも“困っているときに青空に助けてもらって救われた”といったありがたい言葉もいただいた。いろいろなサービス団体を利用しているにもかかわらず、きっと奥さんの次に信頼してくれているんでしょう、病床で“○○さんは来ないのか”とうちのヘルパーさんの名をしきりに呼ぶ人もいる。また脳梗塞で倒れて以来一年三六五日、朝二時間、夜三時間家事援助に入っている方などは、“青空に見捨てられたらどうしていいかわからない”とまで言ってくださる。いざというときに即対応できる、小回りの利く組織をと思って活動に励んできた成果は、着実に現れてきていると感じています。まだまだ微力ですが、こんなふうに心のふれあいを大切にした温かい組織に育てていきたいですね」

 

活動の抱負をこう語るのは、北海道釧路地域で助け合いのサービス活動を展開する市民組織「青空」の代表・鍵政弘子さん。

 

釧路管内で初めて、時間預託を取り入れた組織を設立

 

同会は一九九九年五月に活動を開始。設立の呼びかけ人となったのは、高齢者問題に取り組む女性の会などで知り合った主婦ら七名である。

「中心メンバーはほとんど五〇代で、親の介護を抱える世代。学習会を開いたり、高齢者施設の見学などを通して高齢者問題を考える中で、“私たちは親の面倒を見るけれど、子供たちからは見てもらえないだろう”という、将来に対する不安が募っていきました。

 

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2000年度総会の模様(写真・釧路新聞社提供)

 

 

 

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