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また、痴呆の親を抱えている人などは、“困ったときにすぐに助けてもらえるところがあったらいいのに”との思いを持っていましたし、公的ヘルパーの仕事をしている人からは、“六〇歳で定年。せっかくの資格や技術を何らかの形で生かしたい”との話もあった。そうしたことから、“双方向会員として助けることも助けられることも自由にできる組織をつくろう”という気持ちが高まっていったんです。

鍵政さん自身は、母親が長年保健婦として地域の人たちのさまざまな相談に乗り、そして感謝されてきたのを見てきたこと。また、障害者施設に勤めた経験もあることから、「何らかの形で人の役に立ちたい」という思いを持っていたのだという。

「私たちが会の設立に向けて走り出した当時、釧路管内にはこうした助け合い活動に取り組んでいる組織はなかったので、札幌まで出向いて二団体の活動状況を視察にも行きました。そして、将来手助けが必要になったときに少しでも経済的負担を抑えることができるようにと、時間預託制度を導入することにしたんです」

また、「困ったときはお互いさま」のボランティア精神に基づいて活動を始めただけに、提供するサービス内容は、家事援助や介助・介護にとどまらず、子守、送迎、話し相手、ペットの世話に至るまで、生活のあらゆる側面へのサポートを想定しているのも「青空」の特徴の一つだ。

 

 

 

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