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(2) 工場の土地は「社会福祉法人スミや」が無償提供する。

(3) 工場建物の建設費は和歌山県(現在の窓口は和歌山市)と国が助成する。

三者の見事な連携で生まれた和佐福祉工場は、関係者の努力により順調に滑り出し8年余の歳月が流れた。現在、21名の従業員(障害者)、8名の職員、5名のパートタイマーが働いている。

事務長の中井文夫さんは「障害者の自立のための生活基盤安定と企業の健全な経営が両立できるように取り組む毎日です。従業員は年々高齢化してきています。また限られた労働力なので生産量(売上高)を増やすことも簡単にはいきません。その時、従業員の生活を保証できるか心配です。本来は我々か仕事を取ってこなくちゃいけないしできた物を売らねばなりません。しかし、その苦労は花王さんかやってくれるので感謝しています」と語る。「品質、生産性共に遜色ありません。納期にも厳しく、残業や休日出勤したりして頑張ってくれます。障害者の作る製品だからといってお客様は甘えを許してくれませんものね」と和歌山工場の神山康夫課長は賞賛する。“障害者も参加できる福祉工場をどんどん作ってください”と全国の企業経営者に叫びたい気持ちで工場の門を後にした。

(取材・文/三上彬)

 

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