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われら地域市民

“生きがい、働きがいのある職場です”

花王株式会社

 

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花王の市野弘さんと神山康夫さん(写真左・右)と「スミや」和佐福祉工場事務長の中井文夫さん(写真中)。

 

車イスの女性が、回転するコンベヤーからシャンプーや歯磨きを取り旅行用化粧セットに詰めている。明るい職場で皆楽しそうだ。「花王の旅行用化粧セットはすべてこの工場で作っています。自分で作った商品を町で見かける、世の人の役に立っているんだと思う、彼らが仕事から得る充実感を一番感じる時だそうです。もちろん生きる上での自信にもなっていると思います」と話すのは、花王和歌山工場からここ和佐福祉工場へ派遣されて活躍する市野弘さん。地域でも「語り部」として地域文化の伝承などのボランティアを行っているという。

今回訪れた和歌山市の和佐福祉工場は、一般企業に雇用されることの困難な重度の身体障害者に職場を提供し、生活指導と健康管理のもと健全な社会生活を営んでもらおうと1993年に設立された。1987年、花王は創業100周年を迎えた。何か記念事業をと考えていた同社に、和歌山県が、障害者の経済的、精神的自立を図ることに関心を持ち市内で角谷整形外科を営む角谷昭一院長を紹介し、次のような企業・地域・行政の三者協定が成立、福祉工場が誕生した。

(1) 花王は、シャンプー、リンスなどを旅行用化粧セットに詰め合わせるなどの作業を委託する同社の分工場を提供し労働を確保する。

 

 

 

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