NPO法人たすけあい遠州は、配食や家事援助などのサービス提供、民家(「もうひとつの家」と名付けられている)を利用してのデイサービスなどを行っている。「もうひとつの家」と高南小学校は徒歩5分程の距難で、いわば“ご近所同士”である。代表の稲葉ゆり子さんは、「配食サービスに参加してはどうか」という提案をした。話し合いの結果、配食サービスに同行して、お年寄りとのふれあいができることになった。「それまでの過程も大切にしたい」と考えた稲葉さんは、食事作りをしている「ごっつぉハウス」に児童たちを案内する。お弁当作りを見学したり、調理をしているボランティアの人から話を聞いたりした児童たちは、「(メニューの)リクエストにも応えるなんてすごい」などの感想を持った。
そして、いよいよ配食サービスの手伝い。配達の前に、「『たすけあい遠州の配食サービスに来たこと』と『自分の名前』をお年寄りにきちんと伝えるように」という注意があった。「ちゃんと言えるだろうか?」「何か質問されたらどうしよう…」緊張しながらの配達は、お年寄りの笑顔や労いの言葉、スタッフの温かい眼差しに支えられ無事終了。今後に向け、児童たちは次のような取り組みを考えている。「また手伝わせてもらって、親しくなったお年寄りと交流する」「もう一度(何回も)配食サービスに行かせてもらい、いろいろと話をしたり、手紙を出したりする。他に「もうひとつの家」のボランティア(リサイクル)活動に参加させてもらう」など。
鈴木一之教頭は「地域の方々に、学校の現状を(悩みごとも含め)知ってもらうことが大切」と話す。ちょっと扉を開いてみれば、心強い“ご近所さん”が、みなさんの学校の側にもきっと見つかるはず。