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急増する日本の自殺者

 

日本の自殺者総数は、戦後ずっと年間二万人前後で推移してきた。ところが、一九九八年にその数三万二八六一人と一気に増え、初めて三万人を、しかも大幅に超えている。翌九九年は三万三〇四八人、二〇〇〇年も三万人を超えることはどうやら間違いないようだ。

この「三万人」という数がいかに尋常でないかは、交通事故による死者と比較すると一層はっきりする。交通事故による死者は九六年以来年間一万人を下回っているが、自殺者数は交通事故死の実に三倍、単純計算しても一時間に三〜四人が日本のどこかで自ら命を絶っていることになる。

さらに、日本の「自殺率」は先進諸国の中でも相当高い。「自殺率」とは人口一〇万人当たりの自殺者数を表す数字。戦後はだいたい「二〇」前後(人口一〇万人当たり自殺者が二〇人)で推移し、フランス、ドイツなどのヨーロッパ先進諸国とほとんど違いはなかった。

 

日本の自殺者総数の年次推移

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