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フエ市のストリートチルドレンを一〇年かけて自立させて、後は「子どもの家」も全部ベトナム人の運営に任せて我々は露と消えてなくなれるように(笑)。

堀田 なるほど。としますと、小山さんの次の夢は何でしょう?

小山 そうですね、今考えているのは一応区切りがついたらもう一度日本の子供と何らかの形でかかわっていこうと。私は最初、可哀相なベトナムの子を助けに行こうと思ってやってきたんですが、実際に外から見ると日本の子供のほうが本当に可哀相ですよ。小中学校で一三万人の子が学校に行っていない。高校で年度途中に退学する子が一〇万人、引きこもりの若者は二〇〇万人とも三〇〇万人ともいわれるなんていう状態はどう見てもおかしいんです。実は二、三年前から「支える会」で、日本の不登校の子供たち二〇人ずつぐらいをベトナムに呼んでアジアの子供がどういう生き方をしているかを知ってもらいながら、もう一回自分の生き方、自分探しをしてもらう、そういう活動も行っているんです。

堀田 それはいいですね。現地の子供たちとの交流の中でいろいろな刺激が受けられるでしょうし。

小山 本当にそうなんですよ。ベトナムは国としてはまだ貧しいですが、「生きる」ということに凄いエネルギーがある。それを目の当たりにすると不登校の子供たちの目の輝きがどんどん変わります。一緒にペンキ塗りなどの肉体労働をしたり、あるいは私は障害児のための小児病院もつくったんですが、そこでリハビリを一緒に体験させたり。ですから次は、ぜひ日本の子供たちが自分を見つめ直す機会をベトナムでつくれるようにしてあげるとか、あるいは相互の子供たちの交流などをしていけたらと。それが夢ですね。

堀田 どうぞ実現させてください。ぜひ日本の子供たちにも夢を与える活動を頑張っていただいて、私どもは日本の親のほうに夢を与えられる社会にするように活動していきます。ご苦労も多いと思いますが、頑張ってください。

 

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