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あくまで説得して、「子どもの家」の良さを体験して理解してもらえるように。彼らの中にも矛盾した気持ちがあるんですよ。気儘な生活を望む気持ちと、でもどこかにこのままじゃだめだという不安もある。ですからそこを突いて、いつまでもこのままでどうするのかと。「子どもの家」に来れば学校にも行けるし、しっかり勉強して将来の選択ができるよと。

堀田 将来への不安、これも生存本能ですから、まずそこを自覚させる。子供の資質自体にそういう健全な気持ちが残っているんですよね。

小山 彼らは決して愚かではないんです。しっかりと自分を持っていますよ。むしろ日本の子供のほうが大変じゃないかと最近は心配しているんです。

 

 

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こうしたベトナムでの活動がフエ市から表彰され、小山さんは日本人として初めての「フエ名誉市民賞」を受賞。この2月には“ベトナムの子どもの家を支える会”の総会にフエ市長が来日しての授賞式も行われる予定だ。なお、同会ではこれらの活動や日越交流の様子等をホームページでも紹介している。

(http://www03.u-page.so-net.ne.jp/pd5/jass/)

(写真はいずれも小山さん著『火焔樹の花』から)

 

自立心を養い「個の地代」の確立を

 

堀田 おっしゃる通りです。そこがまさに一番伺いたいところなんですが、明治から今日に至る経過の中で、経済大国となった一方で子供たちが夢を失っている。どう夢を持たせてあげられるのか。まさに前例がないんですね。小山さんはどうお考えですか?

小山 先ほど言いましたように、子供の社会はあくまで社会の一部を凝縮して反映した結果です。

 

 

 

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