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小山 (うなずきながら)ベトナム戦争でアメリカが使用した枯葉剤による影響は深刻ですし、障害のある人、貧しい人や高齢者などは、自分たちの要求や意見をぶつける組織をつくることもできません。私は政治活動をしようと思っているわけではないのですが、そうした問題を無視できない状況ではありましたね。

堀田 ドイモイで豊かになった人たちは、寄付その他で社会に協力しようという姿勢はあるのですか?

小山 多少、ですね。昨年(一九九九年)の十一月に何百年来の水害があって六〇〇人ほど亡くなったんですが、その時は「子どもの家」にもホーチミンからお金持ちがお米を持って来てくれたり。地域共同体、同族意識といったものがまだ残っていますからそうした助け合いはあります。でもいわゆる欧米、日本でいう社会貢献という意識で活動するお金持ちはまだ少ないですね。

堀田 日本の悪いお金持ちよりは健全かもしれない。

小山 こちらは支援いただいている身なので、あまり言えませんが(笑)。

堀田 私は悪いお金持ちばかり扱ってきましたので極端なのかもしれませんが(笑)。

 

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閉塞間に支配されている日本の子供たち

 

堀田 ところで、「子どもの家」に来るのは貧しい子、親から捨てられた子供たちですよね。生活レベルは非常に低いけれどそれでも自分でお店を持ちたいとか夢を持って目が輝いているという。今、日本の子供たちは夢が持てないといわれていますが、彼らが夢を持つ源は何なのでしょうか?

 

 

 

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