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新春特集 公的介護保険制度を考える

(わが町の介護保険料はどのくらい?)

保険料の高い町、低い町を訪ねて

 

65歳以上の人からの介護保険料の半額徴収が昨秋10月から始まった。所得に応じた保険料を出し合って、みんなで高齢社会を支え合う介護保険制度が本格稼動した感があるが、この保険料、住んでいる町によって最大2.9倍もの開きがある。保険料の高い町安い町ではいったいどんな介護サービスが展開されているのか、全国の特徴的な町を訪ねてみた。

(取材・文/阿部まさ子)

 

全国一安い保険料

茨城県大子町

 

昔ながらの家族が介護を支えてきた町

 

介護保険料が全国一安いことで有名となった茨城県大子町の月額基準額は一五三三円。最も高いとされる北海道厚田村の四四九九円と比べると、実に三倍近い開きがある。厚田村役場では「市町村別の基準額がマスコミに公表されて以来、お宅はどうしてそんなに高いのかと聞かれるが、国の基準通りに算定した結果の数字。むしろ、他の市町村はなぜそんなに低い保険料でやれるのか」と当惑の色を隠せないのだが、一方の大子町役場では「高齢化率が高い割にはサービスの利用見込みが少なかった。保険料が低く抑えられている理由を挙げるとすれば、つまり元気な年寄りが多いということでしょう」と高齢福祉係長の藤田範男さんは話す。

 

 

 

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