介護保険はどう動く?
介護保険は、介護の社会化の第一歩
「介護の実体験を持つ人が声を出していくこと―これが制度改善の早道です」
金森さんは六年前、八九歳のお母さんを見送った。娘の結婚、夫の病死で、二人暮らしになって一七年、お母さんは常に心強い味方だった。戦後間もなくから新聞記者として先駆的な仕事をこなしてきた金森さんを、一番近くで見守り、応援していたお母さん。その母と子の関係が逆転したのは、最晩年の数年間。孤軍奮闘の介護生活で、ふと気付くと体重は三一キロ。が、親孝行できたことで「体はやせても心は豊かになった」という金森さんは「介護は社会で、家族は愛で」と提言する。介護保険制度は、家族介護のあり方を、どう変えていくのか。
(聞き手 森山恵美)