隔年ごとに「里孫」になれない学年が出てくるため、その学年には行事への招待やホームへの訪問給食などで対応しているが、来年度からはどの学年も行えるようにできたらと考えているそうだ。
島村正勝校長は「里孫制度」について、「子供たちへの願いとして、障害者や高齢者に対して強者と弱者の関係ではなく、対等の関係で、自然体で共に生きていくことを学んでほしい」と期待している。特別活動部ボランティア係の大島陽子先生と6年担任の小関真澄先生に実施状況を伺った。大島先生は、「里孫制度は、教員、PTA、社会福祉協議会、施設の担当者・ボランティア、地域ボランティアの方々など多くの方に支えられている」「学校にお招きする時は、こうしたボランティアの方々に連れて来ていただくので、安心している」と言う。小関先生は、「一緒に花かごを編んだり、抹茶をいただいたり、じゃがいもの煮方を教わったり、風船バレーや歌を歌ったりと相手の立場に立って一緒に楽しめる交流を考えている」と話してくれた。
「白十字ホーム」の副ホーム長の西岡修さんに施設の側の気持ちを聞いてみた。「初め、お年寄りの方がどう受け止めてくれるか不安だった。あるお年寄りが、自分に教育ができるだろうかと言いつつも快く引き受けてくれた。お年寄りも、ボランティアで子供たちの教育の一端を担うつもりでいるのだということがわかった。人には役割があることが大切であることを知った。お年寄りの不思議な力が、子供たちをやさしく素直な気持ちにさせ、また、子供たちの不思議な力で、お年寄りは元気をもらっているようだ」と言う。卒業後もホームを訪ねて来る子供もいるとのこと。子供たちがどのような大人になるか楽しみだ。