1998年4月、同社のある港区のお年寄りたちに花のある生活を楽しんでいただくため、花を一緒に植えて毎日手入れをしていただき、花を育てたり鑑賞する喜びを味わっていただこうという試みが始まった。社員が港区立「港南の郷」高齢者在宅福祉サービスセンターを訪れ、職員と高齢者の方々と共にサフィニアの花48個をプランターに植え付けた。「あんなに生き生きとしたお年寄りの笑顔は初めて見ました」という参加者の声を励みに現在まで5回行われている。今後は労働組合と連携するなどして全国の事業所で開催してもらうため、活動のマニュアル化に取り組んでいくという。
全国各地にある事業所では、海岸、道路、公園の清掃や空き缶拾いなど環境保全活動が盛んに行われている。「それぞれの事業所では地域に根差した活動を行っています。しかし、会社とは別に一人ひとりの社員が地域社会に貢献しようという気持ちを持つことがこれからはより大切になると思います。そのために会社は何をしなければならないかを今一生懸命模索しているところです」との松原課長の言葉に、牛尾さんも大きくうなずいていた。
(取材・文/三上彬)