喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記
「この会に入ってよかった」と思ってもらえるような地域の安心拠点を目指したい
WACふれあいサービス堺つくしの会(大阪府)
「この活動を始めてから七年余り、本当にたくさんの人とかかわりましたが、人が人に出会うことで学ぶことの多さを改めて実感しています。時には人の最期に立ち会うような場にも遭遇することもありますから、高齢者とかかわるということはいつ、何が起こるかわからないという緊張感を持つ必要があるということも知りました。また、ホスピスケア等を通じて、自分の行き方を顧みることもある。甘くは生きられないぞとね。そうして利用者の方々からさまざまなことを教えられることで自分自身の成長を図れる場が、こうした地域福祉活動の魅力ではないかと思うんですよ」
明快な口調でこう語るのは、会社員から転身、「堺つくしの会」の発足以来、コーディネーターとして活躍している石田幸江さん。介護教室やケアで寝る暇もないほど忙しい毎日を過ごしているが、「私はこの道を歩くために生まれてきた」ときっぱりと言い切るだけあって、言葉の端々から、活動に対する熱い思いが伝わってきた。
介護の問題は人ごとではない
「堺つくしの会」は一九九三年四月、「住み慣れた町で安心して暮らしていくために、住民参加の住民相互援助による会員組織」として、社団法人長寿社会文化協会(以下、WAC)の傘下で発足した。会の結成に奔走したのは、かつて同じ職場の同僚であった石田さんと堀江清晃さん。
「そもそも会をつくろうと思ったきっかけは、地元企業が福祉用具の販売を行う店を出店するに当たって、私どもの会社に運営委託を依頼してきたことに始まります。