調査員はホームヘルパーの資格を持つ。調査対象は神戸市内でサービスを行う営利、非営利の介護保険事業者のうちホームヘルプ利用者が二〇人以上の事業者。市内三事業所で試験評価を始め、十一月までには最初の評価情報を公開する。要介護高齢者や介護者など介護サービス利用者に評価情報を提供する窓口は市内七七か所の「あんしんすこやかセンター」(在宅介護支援センター)。同じく二八一か所にあって、要介護認定の申請やケアプラン作成の代行をする「えがおの窓口」(居宅介護支援事業者)にも提供する。また神戸市消費者協会のホームページでの発信も検討中だ。
ユニークなのは事業者の自主性を重んじる点。事業者が神戸市消費者協会と任意に契約し、評価料を支払って調査・評価を受ける。神戸市は協会に代金を支払って評価情報を買い取り、市民に提供する。実際の評価対象は神戸市シルバーサービス事業者連絡会(代表・前田紀一郎神鋼ケアライフ社長)に加盟する事業者である。加盟約一七〇事業者のうち一一一事業者は株式会社、三一社は有限会社と、全体の八割を超え、神戸市の介護保険サービスの供給体制は民間営利企業に依存している。
神戸市の在宅介護サービス評価の調査項目
1] ホームヘルパーの研修・教育(実施頻度など)
2] 苦情対応窓口の設置(苦情処理ルールの有無等)
3] 同・迅速な対応の実施(その日のうちに対応等)
4] 同・業務への反映(苦情処理情報の共有等)
5] 緊急時・事故発生時の対応方法の確立と徹底
6] 同・緊急連絡(主治医との連携、損害保険等)
7] 衛生管理・予防マニュアルの有無等
8] 同・ユニフォーム等(服装規定の有無等)
9] 利用者への適切な連絡(引き継ぎ関連)
10] 他のサービス・医療との照会、連絡体制
11] 時間厳守(ヘルパーがいつも時間通りに来るか)
12] 人権・プライバシー保護への配慮
13] 相談・援助機能の充実(相談・要望を聞いているか)
14] サービス実施マニュアルの整備(緊急時対応等)
15] 責任者への報告と対応(活動日誌の責任者への報告)
16] お年寄りへの声かけ・呼び方(幼児語を使わない等)
17] 生活意欲を引き出す工夫(ヘルパー来訪が楽しみか?)
18] 介護技術・排泄介助(利用者に負担・不快感を与えるか)
19] 同・入浴介助(利用者の意思・体調確認などの励行)
20] 同・移動介助(利用者に負担・不安感を与えていないか)
21] 同・家事援助(好み・健康を配慮した食事の事前確認)
22] 同・食事介助(食べさせるための工夫等)
その他 (サービス提供方針、提供時間帯、人材、巡回の有無、キャンセルに関すること等)