事務局の運営に研修会の実施、二級ヘルパー養成事業、たすけあいの啓発等々、やるべきこと、やりたいことは数え上げたらきりがない。恐らく、目が回るほどの忙しさだったと思うが、「ふれあい社会を実現するという目標があるから、ちっとも苦じゃなかった」ときっぱり。
「とりわけ、現場は大好きでね。利用者の方と心の通じ合った時の素晴らしさといったらホントに、何ものにも代えがたい喜びなんですから」会には「話し相手になってほしい」「出産に立ち会ってほしい」「庭の手入れをしてほしい」等々、あらゆる相談ごとが持ち込まれたが、その一つひとつに対して、行政では対応しきれないような、かゆい所に手が届くようなサービスの提供を心がけてきたとも言う。
「たとえば、体に障害がある方から、新幹線や飛行機で旅行したいという相談があれば、それにも応えます。つい先日も、車イスの方三名を京都観光にお連れしたんですよ。それも、財団の研修会等で知り合った各地の助け合い団体とのネットワークをフル活用してです」
手順としては、自宅から駅や飛行場までは会のリフトカーを使い、付き添いと共に乗り物に乗る。目的地では、あらかじめ協力を頼んでおいた現地の団体にリフトカーで迎えに来てもらい、案内をしてもらう。こうすれば、現地で費用のかかる福祉車両を借りる必要もないし、地元の人がいれば車イスで行動できる駐車場やレストラン、トイレ、ホテル、名所旧跡にも詳しいので、安心して楽しめる。また、会のほうから付き添う人数は最低限で済むので、旅費や宿泊費もかさまないというわけだ。