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心と教育 学校の新しいかたち

福祉学習は人間形成の基礎

愛知県常滑市立鬼崎中学校(取材・文/本間信治)

 

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おばあちゃんに教えてもらいながら食事の仕度中。

 

この夏、愛知県常滑市の「これからの高齢社会を考える会 はっぴいわん」(代表・久保田久代さん)のハウスには、中学生ボランティアの元気な声が響いた。市内の3つの中学校から、延べ103人の男女生徒が訪問し、食事の準備、農作業、バザーのための品物作りなどに取り組んだ。「はっぴいわん」は、元気なうちにふれあって、生きがいづくりをしながら、やがて自然に助け合いができる、そんな仲間づくりをめざず市民の自立の会である。市内の高齢者が気軽に集いながら、文化活動などを行っている。

最初は少し緊張気味だった生徒たちも、おじいちゃん、おばあちゃんたちの温かい雰囲気にすぐ打ち解けて、世代を超えた楽しい会話と活動に引き込まれていった。

「お年寄りの方たちは、体が動かない人などがいるのかなぁ、と思ったら、みなさんとても元気で、私が知らなかったことも、たくさん教えてくれました」「ありがとうってたくさん言われて、うれしかった」「(ボランティアする場所というと)少し居づらい場所かと思っていたけど、とても楽しかった。これからも何かやれることをやっていこうと思う」など、新鮮な感動の文字が、感想文の中に並ぶ。

こうしたボランティア体験学習を進めている中学校の一つ、常滑市立鬼崎中学校(梛川崇文校長、生徒数447名)を訪問した。

 

 

 

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