行ったのは近所にある知的障害者の作業所、社員は2〜3日ずつ参加し、日常業務は交代でカバーした。社業の一環とし、参加者は研修として出勤扱い。ボランティア保険、交通費、昼食代は会社負担とした。「夏休みの期間を選んだのは社業に比較的余裕がある時期、会社周辺の施設へ行ったのは業務に緊急事態が生じた時すぐ帰ることができるからです」と小田原社長は社業とボランティアの両立の苦労談も語る。活動はこれまで毎年続いている。
会社近くにある作業所を訪ねてみた。「対応に戸惑う方が多い中、三皓さんの社員は経験も豊富ですぐに慣れるんですよ。会社全体にボランティア意識が染み付いているせいでしょうね。助かっています」と職員の一人は感謝していた。休日に自主的にバザーなどの催しを手伝ってくれる社員もいるという。
社員に現場体験の意義を強く説く小田原社長、現在行われている戦後教育の見直し論議にも強い関心を寄せている。学生のボランティア体験活動の義務化は早く実現してほしいという。
「自分の身の丈に合ったことを自分の身体を動かしてこつこつと継続、努力していくこと、会社の仕事と同じですよ」と企業活動へもボランティア活動へも意欲はますます旺盛である。
(取材・文/三上彬)