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午後に始まったシンポジウムでは、四名の方々から地域での活動、学校との連携とその課題について報告があった。さらにボランティアの自主性や意義について、学校が地域と連携するための「鍵」となるような意見も出された。それぞれの報告のポイントを紹介しよう。

 

誰もが安心して暮らせる地域づくりをめざし、自宅開放で在宅サービスを展開

NPO法人 福祉サポートセンターさわやか愛知

理事長 川上里美さん

「愛知県大府市を中心として、在宅福祉サービスを行っています。協力会員の小学生のお子さんがお友達と一緒に来るようになったのがきっかけで、中、高校生が体験学習に訪れるようになりました。子供たちは高齢者の介護を通じて、現実の厳しさを知ったようです。お手伝いに行った時に相手の方の機嫌を損ねて、『帰れ!』と言われたりもする。そういった場合の対処の仕方が大切。相手のタイミングを見ながら、自立も促していく。在宅福祉サービスをしている団体は全国にあるので、ぜひ学生のボランティアの受け皿になれたらと思います」

 

学校と地域をネットワークし、豊かな体験学習を

静岡県金谷町立五和小学校

PTA会長 鈴木健友さん

「五和(ごか)小学校PTAでは母親だけでなく、父親にも参加を呼び掛けながら、活動している。特に学習支援活動では、PTAの専業農家の父親が登録する農業プロジェクト。子供たちにさつまいもや米、お茶、そばづくりなどを教え、子供たちは、農業を通じて農業の歴史を学んだり、会話をしながら、家庭生活を考えるきっかけにもなっています」

また学習支援活動の組織にエポスクール(EVERYBODY PLUS ONE SCHOOL)がある。「地域の子供はみんな『わが子』と考え、学校、家庭、地域社会すべての人の叡知を集めてみんなで学校教育をつくろう」というもの。「地域の人がスポーツや芸術、ボランティアなどの分野で、一〇〇名近くが登録しています。PTAは先生や地域の人とも連携を強め、必要な時にはいつでも学校に協力できる体制づくりをしています」

 

 

 

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