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それが子供にとって生きた学問になる。二人はそれぞれのボランティア活動や体験を通して「生きた学問」「生きた知識」の重要性を改めて感じているという。

「現地に行ってもっと知りたい、もっと現地の人と話したいという気持ちが強くなる。自分が必要だと思ったら、勉強するものです。自分の意欲で学びたいと思うような教育、体験を学校でやってほしいですね」と小山内さんは力強く語った。

 

子供たちに「輝ける場所を」

 

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進行役を務める堀田理事長。

 

では、「総合的な学習の時間」でも取り入れられる「ボランティア体験学習」をどのように効果的にやっていくと良いだろうか。堀田理事長の問いかけに、地域でボランティア活動をしている山下さんは、「子供たちはボランティア体験の後で、自分が人の役に立つことやその楽しさを知る。それが自信になり、意欲につながっていく。ボランティア体験の中で自分を見直す、自分を確立する、社会とのかかわり方を考える、ということはよくあるようです」と答えた。さらに山下さんから、会場の先生にとって頭の痛い一言も。

「ボランティアはやっているうちにだんだん楽しくなるもの。これはぜひ先生たちにもやっていただきたい。やってみて面白かったという経験がない人間が子供たちにその面白さを伝えることはできないでしょう?」

会場の反応は大きく手をたたく人、苦笑いしつつ頭を抱える姿(先生?)も見えた。さらに山下さんは最近の少年犯罪について「原因は今の子供たちを光り輝かせる場所がないこと。それは大人の責任もあるのではないか」と指摘した。

 

「学校は子供のふるさとをつくる場」と語った山下さん。地域と手を携え、体験的な学習を通して、子供たちの視野がもっと広がり、人間関係を膨らませ、彼らが「輝ける場所」をたくさん見いだしていけたら。そんな思いがあふれるてい談だった。

 

 

 

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