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そして評価をやたら急がずにその子その子のやり方で伸びていけばいい。ゆっくりでも課題を自分で持てる人間になってほしいですよね」

自分の課題を見つける子、自分で行動をしてかつ責任を取れる子など、「自立」に導いていける教育がキーワードになったようだ。

 

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JHPの活動について語る小山内さん。

 

「体験」から「学ぶ意欲」へ

 

文筆業の傍ら「JHP・学校をつくる会」の代表をしている小山内さん。この活動はカンボジアなど援助を必要とする国に、大学生たちと共に行き、学校をつくったり公園などの施設をつくるというもの。「どんな有名大学の学生でも釘の抜き方を知らなかったり、現地の人に妙な英語を使ったり、現場に行くと応用が効かない。試験を受けたら後は忘れてしまうような知識は知識と言えるんでしょうか」と辛口の一言を発すると会場から大拍手。「何をやりたいのかということがなければ、知識がいくらあってもしょうがない。大切なのは何をやりたいのか考えるための基礎的な知識。これは徹底的に学ぶべき」と山下さんも学校教育の基本を語った。

「学校に地域の方が来て、その活動について聞いている時の子供の目の輝きは普段の授業の時とは全然違っているでしょう? これは、いわゆる生(なま)の知識のせい。この部分が生徒に輝きをもたらせるんですよ」と山下さん。学校という一つの枠から一歩外に出た社会の声を聞く、そして共に活動する。

 

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子供たちに生きた知識を、と山下さん。

 

 

 

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