時事ニュース
2000年10月号<トピックス>
1] ショートステイの利用日数制限撤廃へ
2] 「教育改革国民会議」が審議報告
3] 「介護支援専門員支援会議」発足
4] 東京都が48区市町村の福祉事業に補助金
5] 「手押し車歩行交通安全ネットワーク」発足
●ショートステイの利用日数制限撤廃へ
―介護保険で厚生省か改定案を提示
ショートステイ(短期施設入所)は、介護保険制度になって要介護度ごとに利用日数制限が設けられるようになり、思うように利用できないとの非難の声が上がっていた。厚生省は7月24日、2002年からの実施を見込んで日数制限を撤廃し、限度額内であれば利用できるように改正する案を提示した。
また、厚生省は家事援助の範囲について、介護ともいえないことを頼まれる例が報告されているのを受けて、問題事例と対応策を示した。家事援助は原則として日常生活に支障あるものについて行われるべきであり、犬の散歩や草取り、使わない部屋の掃除などは特にヘルパーがやらなくても支障ないとしている。だが高齢者が支障を感じていることは十人十色で上から一律に決め付けることはできない。介護保険以外で個に応じて血の通った支援の仕組みを作っていくことも大切だ。
●「教育改革国民会議」が審議報告
―子供たちを豊かにはぐくむ
森喜朗首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」(江崎玲於奈座長)は7月26日、3分科会の審議報告を公表した。この3分科会は人間性、学校教育、創造性の観点からそれぞれ話し合いを進めてきたもので、まず第1分科会報告では共同生活による奉仕活動などの義務化を提言、小学校と中学校で各2週間、高校で1か月の期間とし、いずれは満18歳の国民すべてに1年間の奉仕期間を設定すべきだとしている。さらに第2分科会では教員と学校への評価制度導入、第3分科会では大学への入学年齢制限の撤廃を提言するなど、全体を通して抜本的な改革の必要性を打ち出した。
また、28日、与党3党の「与党少年法プロジェクトチーム」は少年法改正案を秋の臨時国会に議員立法で提出することを決定。この中で刑事罰対象年齢を現在の16歳以上から14歳以上に引き下げる考えを提示している。
犯罪の低年齢化、若者の無気力化などが指摘される中で、21世紀を担う青少年をどうはぐくんでいくべきなのか、学校や家庭だけでなく、地域社会全体の問題として多方面から取り組んでいかなければいけない問題である。そのためには、われわれ大人一人ひとりの行動もまた、問われる時代となっていることはいうまでもない。