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この春、一関二高福祉科を終えて「老人保健施設ふじさわ」の介護員となって働き始めた畠山百恵さん(一八歳)。その百恵先輩から「タメになるお話」を聞いた後、介護基礎実技「おじいさん、おばあさんになってみよう」で、寝たきりの人の着替えとトランスファー(ベッドからイスへの移動)を教わった。生徒たちは五〜七人ずつグループになって交代で介護人役とお年寄り役になり、全員が両方を経験する。藤沢町在宅介護支援センターの主任介護支援専門員がユーモアたっぷり、懇切丁寧に指導する。お年寄りに手を触れる前に声をかけ、自己紹介を忘れずに不安感をなくす、「コミュニケーションがすべて」という介護の原点を巧みに教え、現場実習につなげていく。

 

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寮母さんに着替え介助の仕方を習う中学1年生。

 

男子高校生もヘルパーに同行してお年寄りを訪問し在宅介護を体験

 

午後は、お年寄りの自宅を訪ねて在宅介護の体験だ。隣町の千廐(せんまや)高校から来た男子生徒三人についてヘルパー実習に同行した。訪問先は老人保健施設から車で七、八分。緑深い一軒家でヘルパーの訪問を待っている女性Aさん(七八歳)だ。足の関節が変形し、耳が遠く少しぼけ症状が出始めている。日中は一人で座って家族の帰りを待つ「昼間独居老人」だ。一日三回の訪問介護や訪問看護、訪問医療など手厚い在宅サービスを受けている。

 

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昼間独居のお年寄りを訪ねて、リハビリの手伝いをする高校生。

 

 

 

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