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「医療・福祉の町づくりなら県内トップ」(岩手県庁)と折り紙付きの岩手県藤沢町。北上山脈の南端に位置する過疎地だが、介護保険を支えるための人材育成には舌を巻く。中学生以上に夏・冬二回、介護実習を行い、福祉マンパワーの自給体制を着々と整えている。(取材・文/尾崎雄)

 

「ケアチャレンジスクール」で寝たきり老人の訪問介護を実習する

 

八月七日午前八時三〇分。藤沢町の老人保健施設の会議室に近郷近在から中学・高校生が続々と集まって来た。「寝たきりのバアチャンのために介護を勉強したい」と隣町から自転車を一時間もこいで駆け付けた男の子も。中学一年生から高校三年生まで男女合わせて三九人。藤沢町が二日間にわたって実施する二〇〇〇年度夏季ケアチャレンジスクールの初日だ。まずは佐藤元美藤沢町福祉医療センター所長(藤沢町民病院院長)の開会あいさつを聞こう。

「これからは援助が必要なお年寄りが増えますが、援助を家族だけに任せることはできません。そこで今年から介護保険が始まったのです。また介護の仕事はコンピュータに取って代わられることはありません。新しい職場なので先輩も少ないのでみなさんの創意工夫を発揮できます。このスクールによって介護の仕事に意欲を持った人、やさしさを持った人と、何年か後に同じ職場で出会うことを願っています」

 

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地域の中高生たちを福祉人材に育てるケアチャレンジスクールの会場。

 

卒業生が町の老人保健施設に就職後輩たちに介護の基礎を手ほどき

 

それはすでに実現した。卒業生の一人が今年からインストラクターとして中高生に教えることになったのだ。

 

 

 

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