従って、有償の場合でも、労働の対価ではなく、あくまでも愛情の論理による謝礼金の範囲で設定されるのが筋といえましょう。
1] その地域のパート時給の最低賃金を勘案して
担い手が1時間当たりで受け取る謝礼金は、事務費を除いて、その地域におけるパート時給の最低賃金を勘案して設定することが望ましいありようです。
2] サービス内容による差や割り増しを設けない
家事援助や介護などサービス内容によって差を設けたり、あるいは夕方5時以降とか土日によって割り増しの概念を取り入れているところがありますが、要援助者にとってみれば、家事であれ介護であれどちらも必要なサービスであり、家事サービスのほうが介護より体力を使うことも少なくありません。さらに、「9時から5時まで」仕事をして残業する、というのではなく、1時間とか2時間とか、多くの人のちょっとした時間を組み合わせて継続的にサービス提供をしていくのが、こうした助け合いの理念ですから、その活動に資本経済の論理を取り入れること自体がそもそもおかしいといえます。
経理処理はどうする?
では、謝礼金部分を寄付された団体は、どんな経理処理をすればいいのでしょうか。これには2通りが考えられます。
その一つは、「ふれあい切符基金」(時間預託基金)として別に積み立てておき、その人が預託分を引き出して使う際に担い手への金銭保証とします。すべての人が時間預託だけを採用している場合には時間の記録の移動だけでよいのですが、仮に、現金で受け取りたいという人には、こうした基金があったほうが会計上もより明確になります。
二つ目は、団体として、会員の合意のもとに、事務運営費などに使用する場合です。会員さえ増えていけば、こうした処理をしたとしても、引き出して使いたい場合に時間で返していくことは可能だからです。