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現実的には、一方的にサービスを受けるだけの人もいますが、会員をたとえば正会員(本会員、または会員)とし、その中で時に利用者(X)、時に協力者(Y)といった表現や処理の工夫が重要です。そして、できるだけ、利用者であっても、何か他の人に対してできることを引き出していく工夫が大切です。たとえば、外出ができないAさんは外出介助や買物のサービスをBさんから受け、一方、裁縫が得意なAさんは、ちょっとした繕い物をCさんにしてあげるといったことです。

なお、サービス活動に参加するのではなく、寄付などを通じて組織活動を支援する賛助会員については、会員の一本化の必要はありません。

 

ふれあい切符の基本的性格と特徴

 

ふれあい切符制度についてはこれまで、将来、貯めた時間分がきちんと返ってくるのか、という「保証」があいまいだとの批判から、この制度を採用する団体の多くは、「保証」の対価として現金による裏付けをせざるを得ませんでした。つまり各団体は、一時間当たりの利用料×貯めた時間という形で金額に換算し、本人が望めばその金額で返還するというものです。

しかし、これでは、本来ふれあい切符が持つ基本的な性格を逸脱していることになります。というのは、貯めた時間は時間で返ることに意味があるからです。ふれあい切符制度を採用する際には、「時と場所において可能な限り保証することを前提とする」といった形で導入することを基本原則とするべきです。

このシステムは、あくまでも愛情をリレーしていくことに特徴があります。また、活動した時間を記録していける利点もあります。

 

 

 

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