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栗山 ぼけというのは、愛らしい響きがしますよね。

松山 「典子は、今」という映画を作ったのが一九八一年の国際障害者年で、その時国連がハンディキャップ(handicap)という言葉をやめてdisabled(ディスエイブルド)と代えたんです。ちょっと不便な、という意味。やはり言葉一つでも人を刺しますから大事なんですね。

 

寺社をもっと開放してグループホームの拠点に

 

松山 同じように、グループホームにいます、というのも、今はまだ陰惨な感じがしませんか? だから下宿屋のほうがいい。コミュニケーションも濃密な感じがするでしょう。下宿人の人数は五人。多過ぎてもだめだし、奇数だから決まりごとや献立も多数決で決められる(笑)。これを全国三三〇○市町村に何万戸と作る。そうすると自分の家から行き来できて、非常に明るくなるんじゃないかと思うんです。

堀田 社会がまったく変わりますよね。

松山 そうそう。だからね、常々ぼくは言っているんですよ。今こそ仏教徒よ立ち上がれ、と(笑)。

堀田 なるほど。それはいい提案です。

松山 だいたい日本全国にどのくらい寺社があると思いますか?

昔の坊さんは教義を広めると同時にいろいろな智恵を生活化し、慈悲を持って人を助けていたのに、今は何もしていないでしょう。そう言い切ったら怒られるでしょうが、日本の歴史始まって以来の、国難といってもいいようなこの時期に、駐車場なんかやってないでグループホームを作って地域の人たちと助け合う拠点、リーダーになってほしいんですよ。

 

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さわやか福祉財団発行の「ふれあい型」グループホーム案内書。今年度、改訂版を発行の予定。

 

 

 

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