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介護保険はどう動く?

市長を辞めて妻の介護に専念

「夫の励ましが何よりの良薬ですわ!」

 

長年連れ添った妻か骨粗しょう症で動けなくなり、痴呆症にかかったら、あなたはどうしますか?今回登場する江村利雄さんは激務の市長職をこなしながら長い間妻の在宅介護に努めてきたものの、「このままでは市民に迷惑をかける」と、任期を一年残して潔く首長の座を降り、妻の介護とリハビリに専念している。介護保険制度はスタートしたが、依然女性中心の介護が続く中で、江村さんの投じた一石は中年男性の心をとらえて離さない。「公職はすべて降りて、今は年金生活者ですわ」と快活に笑う江村さんに、自らの体験談を聞いた。

(聞き手/鎌田穣)

 

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前大阪府高槻(たかつき)市長

江村利雄さん

(えむらとしお)

1924年大阪府高槻市生まれ、75歳。80年大阪府庁を定年退職後、高槻市の助役を経て、84年4月高槻市長に当選。都市基盤の整備に努める一方、文化、教育、福祉分野の充実にも力を注ぐ。92年ごろから公務のかたわら妻の介護に取り組むが、99年2月、4期目の途中で「妻の介護に専念したい」と突然、辞任を表明し4月末辞職。同年12月徳間書店から「夫のかわりはおりまへん―前高槻市長の介護奮戦記」を出版。ゴルフや宴席を楽しみながら、講演などで全国を駆け回っている。

 

『夫のかわりはおりまへん』という本を読むと、江村さんのご苦労がわかります。

 

 

 

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