「なんだか、嘘っぽい話ねぇ」
最近、井上治代さんの本『最期まで自分らしく』(毎日新聞社刊)を読みました。仏教の教義では、本来お葬式は死者を二度と帰れない10万億土の遠い極楽に送り出すものなので、死者がお盆に帰って来ることなどあり得ないのだ、それが帰って来るというのは、先祖は近くにいて、お盆のときなどには生者の家に帰って来るという民間信仰を取り込んでいるのだ、とのこと。純粋仏教と土俗的な民間信仰との妥協、それが現実の仏教だと見ておられるようです。確かにそのとおりかもしれません。が、それでいいのでしょう。
神仏は、あると思う人には存在し、ないと思う人には存在しないだけのことで、物理学上の証明の対象ではありません。それにしても、いろいろな神様や仏様がいっぱいいて、キリスト教やイスラム教、ヒンズー教など外国の神々とも喧嘩せず、みんな仲良しというこの日本は何とおおらかな国でしょう。神社にお参りしたその足でお寺にお参りする、お盆やお彼岸、クリスマス・イブ、そしてお正月に初もうで。いいんじゃないでしょうか。
今年も、まもなく旧暦のお盆がやって来ますね。