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心と教育 学校の新しいかたち

キーワードは「学社融合」・「公民館」

長野県大町市立大町北小学校

(取材・文/有馬正史)

 

「学社融合」、聞き慣れない言葉だが、学校教育と社会教育が一部統合しながら、青少年教育を中心とした生涯学当たり、学習機会を提供しようというものだ。

長野県大町市で、学校と公民館が学社融合で、体験学習を行っているという全国的にも珍しい活動の情報を得て、大町北小学校を訪問し、研究主任の北澤佳伸先生に話を伺った。

大町北小学校は、社会福祉協議会やボランティア団体、障害者の方を指導者に、福祉教育を実践してきた。98年度後半からは、新たなふれあい体験学習が加わった。6年3組の児童は、社会科と家庭科の時間を使い、平地区食生活改善推進委員会の方々を招いて、江戸時代の料理を作ったり、5年生は子ども会で参加希望者が、縄文土器作りに挑戦したりした。99年度は、5年3組の児童とすずらん学級(養護学級)の児童が社会科や理科、道徳の時間を使い地元の人の協力を得て、そば作り(そばを知り、育て、刈り取り、試食するまで)を、年間20時間程度をかけて継続的に行った。

この体験学習は、98年度にできた学社融合推進姿員会(大町市教育委員会が設立)から生まれた。北澤先生は、その委員だ。「企画立案は、公民館主事の委員の方がされ、私は学校に持ち帰り、先生方に実施をお願いした。風通しの良い学校という風土ができつつあり、地域の教育力の活用に前向きだったこともあり、公民館と連携して、学社融合の実践に取り組むことができた」と言う。

企画立案者の一人である平公民館主事の成沢利博さんは、「大町市の公民館は教育委員会管轄で、平公民館では七宝焼やパッチワークの講座、サークル活動などの生涯学習事業を行い、子ども会育成会の事務局なども兼ねているが、学社融合推進委員会で、社会教育施設も子供たちの教育に積極的に取り組んでほしいという依頼を受けた。

 

 

 

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