でもそれで会が存続できなくなるのであれば元も子もない。それで改めて委員会で多数決を採った結果、賛成多数を得て利用料の値上げに踏み切ることを決めました」
もう一つの提案とは、会の名称を変更することだった。これは五年間の活動によって、「さわやかたすけあいの会」イコール宮島というイメージが内外に浸透しており、その色が付いたままでは活動しにくい、ということが最大の理由だった。システムを変え、そして名前を変えるのであれば、当然、会員の人々に継続の意思の有無も確認しなければならない。そのため、預かり金もすべて清算するために出資金を返還し、手持ちチケットの清算や時間預託の清算なども行ったという。そして清算後に残ったお金は、新たな会に寄付をするという形を取った。
こうして万事滞りなく引き継ぎは終わり、三月三一日をもって宮島さんは代表の座を退き、それと共に「さわやかたすけあいの会」は発展的解散をした。そして四月一日より、小田島新代表のもと「たすけあいどんぐりの会」として新たな出発を果たしたのである。
「代表一人が辞めたらそれで会も解散では、会員は安心して活動も続けられないし、社会的な信用も得られません。事情はそれぞれに違うでしょうが、うちの会にとってはこれが最良の選択だったと思っています」
リーダーの強力な個性によって成り立っていることが多いボランティア団体。代表がその座を降りるとき、会はどういう形で継続をしていくのか、いけるのか。しかし一方で「存続」だけを目標にすれば、活動の理念は薄れ、やがて市民団体としての存在意義も無くなってしまう。逆に、その活動を利用者や地域の人たちが強く支援していれば自然に会の活力ともなるだろう。「さわやかたすけあいの会」が地域に植えた苗が「たすけあいどんぐりの会」でさらに花開いていくことを期待したい。