そうしたふれあいがお年寄り自身の生きがいにもつながりますし、サッカーさわやか広場でもお年寄りが本当に喜んでくれるんですよ。涙を流したりする方もおられて。
川淵 ぼくも最初にお話を聞いた時には、果たしてお年寄りがどんなことで喜んでくれるのか、非常に不思議でした。でもお年寄りは子供たちが楽しく喜んでいる姿を見るのがうれしいんですね。寝たきりのような方でも、何かそうした生きがいになるもの、孫が来た時にいろいろな話をしてあげるのでもいい。うちの女房のお袋さんが八五だけど、今、週に一回、近所の会館みたいなところで四〇人くらいとカラオケやってて、それがすごく生きがいになってる。長老みたいに大事にされて。
堀田 それはいいですねえ。
川淵 たまに大阪に行った時にカラオケに行く時の服を買いましょうとか、普通の服なんですけど、まだおしゃれする気もあって。大きな声で歌うのは健康にもいいし、友達も仲間もいて、そんなたわいのないようなことでもお年寄りには大切なんですね。でも先日、電話で話しててちょっとショックだったんですよ。
1997年9月からスタートした「サッカーさわやか広場」。地域の高齢者と子供たちとの心の交流をサッカーというスポーツを通じて図ろうとさわやか福祉財団が企画・実施しているもので、各地のJリーグクラブの全面協力を得て、6月末現在で延べ40回開催。現役Jリーガーと共に地域の特別養護老人ホームなどを訪問し、温かいふれあいの輪を広げている(写真下・手前左端が企画責任者の吉田旭雄さん)。