ケアマネジャーが噛んで含めるように説明するのです。一番必要なことはその方の生活が見られるかどうかです。その方の家に出向いて行って生活の問題点を見つけること。サービスを利用者につなぐだけではだめですね。
遠慮なく再申請をとアドバイス
ケアマネジャーの責任は重いし、そこにやりがいかある。ところで痴呆症の方は要介譲度が低く判定されるといわれていますか、実際そうなんですか?
そういう例はいくつも見てきました。痴呆ではないけれどもつじつまが合わないことをしゃべって会話が成立しない感覚性言語障害の方は一見すると正常。「どうせ自立になる」と、介護保険の認定申請をあきらめようとしていた家族もいました。徘徊癖があって要介護1の人もいるんですよ。不服申し立てもできますが私は要介護度が低く判定されたと思う方には再申請するようにお勧めしています。この方がずっと時間と労力がかかりません。そうやって最初は要介護1だった人が3になったケースもありますよ。
そうした現実的な知恵こそ介護保険のプロであるケアマネジャーに提供していただきたいと思います。
毎日九時半から徘徊癖が始まる方には徘徊が始まる前にデイケアに行けるよう自宅に送迎車が来てもらえるよう施設にお願いをしています。また医療保険がきく精神科のデイケアを利用できるようお勧めもします。家族はお金の負担を気にしていますから。ケアマネジャーは介護保険の知識だけでなく医療保険や障害者福祉の仕組みにも知識を持っていれば利用者の便宜を図ることができます。
住宅改修や福祉用具の貸与の仕組みについても介護保険の制度だけでなく、その地域で活用できる自治体の制度を熟知して介護保険と組み合わせ、それぞれの申請の仕方も含めて上手な利用法をアドバイスすれば経済的な負担も軽滅されます。
住宅をバリアフリーに改修したり福祉用具を活用することは二四時間三六五日使える介護サービスを使うことに匹敵します。このことをわかりやすく説明したり、在宅介護サービスを利用してもらったり、家に引きこもりがちな方をデイサービスなどに連れ出して差し上げたりする。それがケアマネジャーの力量です。
そうやって高齢者のクオリティ・オブ・ライフを高めて、その成果が見えてくる。ケアマネジャーはやりかいのある仕事ですね。ところで遠藤さんは駅前商店街のど真ん中でデイサービスをやっていますが、商店や飲食店と同じビルに同居するデイサービスセンターは珍しい。