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東京都T市で要介護4の母親を介護する山崎照美さん(仮名、四五)は「プランはちゃんと立ててくれたが、説明や聞き取りはまったくなかった」と割り切れない思いを語る。山崎さんは以前からデイサービスを利用している事業所のケアマネジャーにプラン作成を頼んだ。事情をよく知っているだけあってきっちりとしたプランではあったが家族への事前説明もなく、サービス開始後も何の連絡もないという。

一方、こうした声もある。

神奈川県横浜市に住む森田和子さん(七〇)は一人暮らしで要介護1。介護保険で家事援助を利用しているが、「ケアマネジャーが頻繁に電話をくれて、ヘルパーへの苦情や急なプランの変更にもすぐに対応してくれる上、日常の生活についても助言してくれる」と感謝する。

利用者は福祉の素人で情報も少ない。ケアマネジャーならばしっかり利用者の立場に立って橋渡しをするのは本来当然の職務なのである。

今回、ケアプランの自己作成に挑戦してもらった編集部のS女史は東京都のH市で要介護1の義母(八三)と二世帯同居。最初はケアマネジャーに依頼していたが、まず、その変更を申し出ることから開始した。

 

それまでの経緯

当事者(義母・83歳)の状況

 

骨粗しょう症、高血圧、めまいなど身体的な問題を抱えているが、食事、掃除などの日常生活は自立可能。従来から月に2回主治医の往診で療養管理指導を受ける。それ以外の介護サービスは特に受けていなかった。

1999年

10月20日 近くの在宅介護支援センターに介護保険の認定を受けるための要介護認定申請書を提出。

12月5日 調査員による40分ほどの聞き取り調査。S女史と夫が立ち会う。

2000年

2月4日 要介護認定結果「要介護1」と通知。

2月9日 主治医のケアマネジャーに支援を口頭で依頼。

2月10日 ケアプラン作成を機関に依頼する書類(居宅介護支援事業者依頼書)を市役所に送付。

 

 

 

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