また、特養ホームに母親が入居しているというある家族からは、家族会の時に、施設長から介護保険の話があった。話の中で一番不安に思ったのは入院のことだという。施設長は、6日間の入院だと施設に戻れる。3か月までは優先的に入ることができると説明した。優先的に入ることができる条件とは何かと質間すると、きちんとした答えがなかったという。
このような「入院」に関する相談がたくさんあるが、なぜか施設によって説明が違うのである。
介護保険制度では、入院が6日以内の場合は、ベッドを確保しておくことができる。入院が3か月以内であると見込まれる時は、「やむを得ない事情がある場合」を除いて、再度入居できるようにしなければならないとされている。「やむを得ない事情」の中に、「ベッドが満床だから」ということは理由にはならない。もし、施設がこれに反した場合は、監督庁の指導の対象になるとある。
利用者や家族は、「施設の説明に納得できない」と思ったらまず都道府県あるいは、市町村の苦情相談窓口に問い合わせることである。介護保険の基準に関する法解釈は、都道府県の社会福祉協議会に聞けば教えてくれるはずである。