日本では企業の社会貢献に対する理解がまだ決して高くはないが、同社はその社業の特異性もあって、この要請を快諾。今日に至るまで、事務所の無償提供をはじめとして、さまざまな形で同倶楽部をサポートしてくれているという。
団体の趣旨に共鳴して、活動を支えてくれる企業をパートナーに持つことは、財政面などの直接的なメリットだけにとどまらない。たとえば、生まれたばかりの市民団体の場合、「海のものとも山のものともわからない」ということから、会員集めに難航することが多いが、「あの会社が支援している団体ならば」という社会的な信用を得られることもその一つ。また、企業の持っている人脈などを上手に活用すれば、より広範で、効果的な宣伝活動も可能となる。実際、同倶楽部でもそのおかげで、一〇〇名を超える会員と共に活動を開始することができたのである。
北海道札幌市に本拠地を置く「札幌微助人倶楽部」は、助け合いの精神に基づき、受け手と担い手との対等な関係を保ちながらサービス活動を行い、健康で安心して暮らしていくことのできる家族と、活力のある長寿社会の建設に協力することを目的として設立された非営利市民団体。主な活動内容は、1]在宅介護や入院中の介護の手伝い、2]家事援助、3]産前産後のお世話、4]病院受診時などの送迎、移送の介助など。活動に参加するには、入会金5000円が必要。サービスの費用は1時間700円。サービスを提供した会員は500円を謝礼として受け取ることができる(差額の200円は事務局経費)。時間預託制度も採用している。(→連絡先は6月号圭佐氏記事連絡先)