「札幌微助人倶楽部(ビスケットクラブ)」は、「二一世紀の高齢社会を、憂いと危ぐだけで見てしまうのは少し寂しい。もっと希望を持って前向きにとらえたふれあい社会をつくりたい」というさわやか福祉財団の考えに共鳴し、札幌でもふれあいと温かみのある社会づくりをめざした市民による組織を設立しよう―。そんな思いから、一九九六年十二月に設立された市民団体である。
札幌というと「働き盛りの若々しい街」というイメージがあるが、実際には高齢化の進行が速い街でもある。しかも、病院や施設で亡くなる人が多く、在宅死亡率や在宅福祉サービス利用率も非常に低いという。施設などが充実しているという見方もあれば、一方で、家族の絆というものが弱い地域性だという見方にもなる。
「そうした状況を鑑みると、高齢化、核家族化が進んでいく中で、肉親や公的な福祉サービスだけを頼りにしていていいのだろうか。このままでは二一世紀に大きく不安な影を落とすことになるとの危ぐを抱きました。もちろん行政には行政でやっていただかなければならない分野はありますが、市民一人ひとりが自ら社会に参加して、高齢社会を元気に過ごしていくためにはどうしたらよいかを考え、行動していかなければならない時代がやってきたと思うのです」と齋藤会長は力説する。
そして、「ささやかでも(微)自分のできる範囲でお互いに助け合おう」との意味を込めて、団体の名前を「微助人」とした。
さて、設立に当たっては、高齢者問題を社業としている株式会社CWEという会社に支援・協力を要請したことが、同倶楽部の大きな特徴の一つ。