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妻を介護する夫や、痴呆症の親を介護する家族の思いを綴った本も増えてきた。

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堀田 家に閉じ込めるんじゃなくて、残っている人間性を何とか伸ばしてあげようという思いを形にされた。そうしたお世話の体験を通じて、ボランティアさん自身も成長されるということはありますか?

内藤 ありますね。「こちらが真心を持って接すれば、相手も必ず理解してくれる。だから自分の心にやましいことを持っちゃだめだよ」とか「純粋にその人が今何をしたいか、どういう性格かを考えよう」などとちょこちょこ話しますが、なるほどそういうものかとわかってくださる。もともとみなさん、誠実な方ばかりですから。ただ、これはボランティア活動だけじゃなく、人間の社会すべてに共通のことなんですね。

堀田 (うなずきながら)内藤さんの場合は、奥様と本当に心通われた関係の中で介護ができているわけですが、でも世間では、急にわがままになって、泣きわめく、暴れる、そういう事例も少なくありません。先日テレビでも放映されていた「おばあちゃま、壊れちやったの?」は生島ヒロシさんのご家族のことですが、生島さんも本当に我慢強くやっているけれど、家族みんながこのおばあちゃんにものすごく振り回される。虹の会の活動でそうしたケースはありませんでしたか?

内藤 確かに大変な方は何人もおりました。気に入らないヘルパーだと、こちらが送って行った車から降りないおばあちゃんですとか。

 

 

 

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