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心と教育 学校の新しいかたち

プラス1の子を共に育てよう

学校の教育力を高める主体的なPTA活動

静岡県金谷町立五和(ごか)小学校

(取材・文/有馬正史)

 

最近、PTA活動が停滞し、参加する人が減少しているという話を聞いた。そこで、改めて、学校とPTAの関係を考えてみようと、地域と連携したPTA活動が活発だという金谷町立五和小学校を訪問した。大石顯(あきら)校長とPTAの方2名が迎えてくれた。

大石校長に、PTA活動が活発になったきっかけを伺う。五和小は、生活科の研究が盛んで、現在は、生活科の理念を基に、家庭・地域と連携した「総合的な学習」に取り組んでいるが、協力してくれる地域の人材を探すのに、「教師には、異動があり、地域とのつながりが少ない。そこで、地域そのものであるPTAに協力を求めた」と話す。

96年度、PTAの「やらされる活動」に対して、学校側は、「自ら創り出す活動」への転換を提案した。その結果、PTAが変化し始めた。97年度から次々に積極的な活動スローガンを打ち出した。99年度は、「応援しよう。未来を拓く子供たちを!」という活動スローガン。そこで、主な2つの活動を紹介していただいた。

まず、エポスクール(EVERYBODY PLUS ONE SCHOOLの略)は、教師、家庭、地域の人たちが教育活動を通してかかわり合い、よりよい自分(今よりプラス1)を創り出していこうとする子供を育てていこうという活動で、福祉・ボランティア、芸術(工芸・芸能)、手芸、料理・菓子作り、趣味、スポーツ等、さまざまな分野で140名以上のPTA会員や地域の方々が人材リストに登録し、年間延ベ100人以上の方々が参加している。

加藤智子さんはPTA副会長で、子供が1人、五和小に通う。ボランティア活動の点訳の特技を生かして子供たちを指導した。「学校での子供の様子を見てみたい。できれば、子供たちに教えてみたい」と思っていた時に、学校から声がかかった。

一緒にやっていると子供たちの目が輝くんです」と加藤さんの歓びが顔からこぼれる。

 

 

 

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