「誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる」を目標に、六年前に自宅を開放して、年中無休の二四時間体制で在宅福祉サービスを行う任意団体「さわやか愛知」を立ち上げた川上里美さん。以来、団体の代表として地域福祉の充実に努めるにとどまらず、さわやか福祉財団のボランティアインストラクターとして、後発の団体の立ち上げを支援するなど、東奔西走の日々を送っているが、『好きなことをやっているだけだし、これが私の生きがいにもなっているんです』と、ご本人はいたって自然体。おおらかで快活なその人柄に、しばし魅了された二時間のインタビューだった。
取材・文/城石眞紀子
JR名古屋駅から東海道本線に乗って約一五分、大府市共栄町にある「さわやか愛知」を訪ねたのは、三月初旬のこと。高台に位置するクリーム色のこの建物は、川上さんが三年前に新築したばかりのバリアフリーの二階建て住宅。一階三部屋、二階四部屋のうち、現在は、ご夫婦の生活スペースとなるたった一部屋を除いて、団体の活動拠点として提供している。日当たりのいい一階の広い事務所では、絶え間なくかかってくる家事援助や介護依頼の電話に、スタッフがテキパキと応じていた。