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この地区での助け合いを取り仕切っている人が見つかりました。そのころは彼女は老人会の会長さんをしていて、60を過ぎた人は半ば強引に会に加え、草取りとか運動などに参加させ、健康保持に気を配っていました。それを一人でやるのは大変でしょうと聞くと、「部下」がいるという。前頁地図1]から7]まで印をした家がこの「部下」に当たります。

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ちなみに、飾り点線で示したのは、食事サービスボランティアをしている人の家です。この町の最大のボランティアグループが食事サービス関連のグループで、百数十名が各地区に分散していて、この町の基本的な福祉資源を構成していると見ていいかもしれません。

このようにして町内の各地に出向いて、地区内での助け合いの状況を尋ねて回った結果わかったことは、その地区を取り仕切っている、やり手のリーダーがいるようなのです。そのリーダーの資質によって、その地区の助け合いのあり方が異なってくるわけです。たまたまこの地区には、「女傑」といえるほどのリーダーがいて、高齢者全員を(「部下」を上手に活用しながら)引っ張っていました。

となると、その地区での助け合いをどう推進するかは、そこにどんなたぐいの人材がどのように分業しながら活動しているのかをしっかり観察した上で、それを生かした方法を考えていかねばならないわけです。

 

 

 

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