調査・研究事業
「ボランティア活動評価・表彰」
〜体験学習を提唱、「心の教育」への先駆的な流れづくり〜
1993年11月から翌年11月にかけて、「ボランティア活動評価・表彰研究会」を設置した。会長には現さわやか福祉財団会長でもある石川忠雄・慶應義塾大学名誉教授が就任、関係省庁担当者、有識者ら21名をメンバーに、入学試験や採用試験、人事考課などに、ボランティア活動の実績を評価して加え、あるいは表彰していくあり方を探った。
当時、新人採用でボランティア経験を評価する企業や高校入試でボランティア活動を点数化する動きが出るなどボランティア活動に対する社会的関心が高まり始めていたが、一方で、「自主性・自発性を阻害しないか?」「活動に優劣が生まれないか?」など懐疑的な声も根強くあった。
95年、同研究会の最終報告書をまとめる。標題は「『ボランティアの世紀』を迎えるために」。来る21世紀をボランティアの世紀と呼ぶよう提唱し、特に児童・生徒には「人格の向上のためにも知育中心のこれまでの教育に社会貢献活動を取り入れていくべき」だとして、ボランティア体験学習の拡充を世間に強く訴え、マスコミでも反響を呼んだ。それから5年、詰め込み教育の大きな方向転換として小中高校での「総合的な学習の時間」導入が決定された。この研究会は、まさに21世紀をボランティアの世紀にするための大きな流れを生む指針となった。
(担当:調査・研究・助成グループ 93年〜94年)