温かい心を形にしたシステム開発をめざす
システム開発というのは本来膨大なお金がかかる。「貧乏財団が手を出す必要があるのか?」、時に所内の会議でさえこうした声が起こった。それでも限られた資金と人数ながら、92年から在宅福祉サービス活動を支援する「さわやかさん」につながる研究開発が始まり、その後IN、IS、II、IIIと「さわやかさん」が誕生した。そして99年10月、汎用ソフトとしての最新バージョン「さわやかさんIII(3.1)」が完成した。この間さまざまな問題に直面した。ふれあいボランティア活動は非定型的でルールがない。最もパソコンになじまない性質の活動なのである。市場はそうしたソフト開発には目は向かない。また、効率を重んじる企業原理で開発された市販ソフトなら、それを使うことで草の根活動に一番大切な、心、独自性という特質を消されてしまう恐れがある。それでは市民の助け合いの輪は絶対に広がらないし、だからこそそこに財団が携わる意義があると考えている。市場原理や行政が動いてくれるのであればその内容をしっかりと見守りながら、草の根の心と活動を生かしたシステムづくりという方向性を明確に形づくっていきたい。
●主な活動
●コンピュータ部会(92年9月〜93年11月)●在宅福祉サービス団体支援ソフト「さわやかさん」の開発。「IN」(96年3月)、「IS」(97年3月)、「II」(97年3月)、「III(3.0)」(98年10月)、「III(3.1)」(99年10月)完成。
●上記テスト版ソフト利用に伴う団体支援(総件数76件)●財団ホームページの作成(99年7月〜)他