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京極 法的に整備される前から活動してこられて、これまでの方向も社会的に評価されるべきものと思っています。私どものように福祉関係の専門にかかわっていると、広い意味でのボランティアというのが極めて大事になってくるんですね。端的なのはターミナルケア、お医者さんがいて専門家がいて、でも家族や周囲の人の支えがどんなに大きい意味を持っているか。それを見ても長寿社会で非常に大きな意味があると思います。

堀田 ありがとうございます。これまでは身体介護サービスの提供量が圧倒的に不足していましたからどうしてもそちらに目が向いてしまいがちですが、介護保険である程度整備されてきますと、心の空洞という問題が必ず表面化してきます。高齢になっても寝たきりになっても、あるいは痴呆になっても、人が人として生きていくには心の充足が絶対に必要で、それはまさに非営利の私たちががんばる分野だと思っています。

京極 福祉のボランティアでは、単なる行政の不足部分を補うということになりがちですが、そうではないんですね。さらに大きな視点で見れば、子供や若者に対する教育的な波及効果が極めて大きいんです。大人の活動を見て子供らがどう精神的に育っていくか。いじめとかその他いろいろな問題がありますが、その点に対しても見えざる大きな活動になっていると思います。社会の質の高さというのは、企業や行政以上に市民団体のレベルがどれだけ高いかだといわれます。つまり国民の民度の高さは、非営利団体の活躍度にかかわってくるわけですね。そうした社会になれるように、さわやか福祉財団にぜひがんばっていただきたい。

堀田 全般にわたってのさまざまなお話をありがどうございました。今後も目先の流れに惑わされずにみなさんと共にがんばっていきたいと思っています。これからもご支援をよろしくお願いいたします。

 

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