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b. 実験局は、諸般の事情によりSARTの応答信号を12点から4点に変更して実施することとなった。

このため、小型軽量SARTの筐体では収納できない(時間的なものから、信号を4点にしたモジュールを作成することが困難)ために、浮体については、他のブイを転用して実施することとなった。

6] 第6回作業部会

a. 塩化チオニールリチウム電池について、当初期待されたものと相違し、摂氏マイナス10度以下の領域で極端に性能が低下し、SARTの試験基準を満足させる性能が得られないことが判明し、代替電池の選定に手間取っていることが報告された。

b. 本調査研究においては、現時点においては、当初の予定どおり小型軽量SARTは塩化チオニールリチウム電池を使用して製作することとし、第3回委員会までに試作を完了することを確認した。

c. 船舶、航空機及び車載のレーダーを使用しての実海面試験結果について、検討、評価を行った。

(a) 円偏波方式アンテナでは、船舶(アンテナ高27m)で約14マイルから受信できた。

(b) 円偏波アンテナが水平偏波アンテナよりも、応答性能に優れておりSART信号の確認がし易い。(見えなくなる頻度がすくない。)

(c) 航空機からは、高度1,000フィートで約30〜37マイルから両方式ともSART信号を確認できた。

(d) 車載レーダー(設置位置:海面高9.5メートル、レーダー水平線9マイル)では、両方式とも約9.5マイルから探知できた。

(e) SART応答波の強弱比較において、理論的には円偏波の方が3dB弱いとされているが、観測結果からは特に差異は認められない。

7] 第7回作業部会

a. 調査研究報告書の原稿について、修正を行なった。

b. 資料等を含め、最終的に編集を行い、報告書原案をまとめた。

 

5. 調査、検討

5.1 投下式SARTの性能要件

本調査、検討においては、事業目的から、投下式レーダー・トランスポンダーは、電池容量以外の点で現存SARTの電気的な性能要件を満たすとともに、

(1) 退船時にできるだけ携行する。

(2) 携行できない場合は海面に投下し、浮遊及び自動的に作動状態となる。そして、曳航索で救命いかだ等に固定する。

 

 

 

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