日本財団 図書館


(3) 投下する余裕のない場合においては、自動離脱、浮遊及び自動的に作動状態となる。という考えから、次の要件を満たし得るものを目指すことにした。

1] 取付け架台から自動離脱できること。

2] 海面に投下した場合に浮遊すること。

3] 取付け架台から切り離した場合に、自動的に作動状態となること。

4] 退船時に比較的容易に携行できること。

5] 海面上に可能な限りのアンテナ高を得るとともに、自立復元性を有するこ。

6] できるだけ小型軽量であること。

7] 耐曝露性を有すること。

委員会等において検討の結果、これらの要件を満たすものが望ましいとの結論が得られた。

 

5.2 投下方式の検討

上記事項を考慮し、本年度は昨年度試作した浮体を改良し、小型軽量化することに重点を置き検討及び試作を行うこととした。

 

5.2.1 浮体構造の検討

船舶から投下されたSARTが、海上で正常に機能するためには各種の性能要件を満足しなければならない。またSARTが船舶の暴露部に装備される場合、許容される占有容積は、極力小さいことが望ましい。昨年度の浮体試作に鑑み浮体要件の検討を行った。その結果をつぎに示す。

(1) 浮体の傾斜

円偏波方式アンテナのSARTを使用することも考え、ビューフォート6相当である風速15m/s時の傾斜角を±45度以下とした。

(2) SARTの水面高

昨年度と同等の1mとした。

(3) 浮体の自立復元性

投下方式SARTは、投下時あるいは海面浮遊時に、強風、波浪等で横転した場合の復元が必要である。

(4) 保管時の省スペース

投下式SARTは、船舶保管時、乗員の作業や歩行等の障害とならないように、省スペースが望ましい。

(5) 漂流性能

投下式SARTは、海面浮遊時に救命いかだの流れに近いことが最善と考えられるが、他の研究結果等から実現が困難なこと及び救命いかだに曳索で繋ぐことを考慮して、本研究においては検討範囲から除外する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION